消失するためにあるのだとしたら

塗りつぶした道は引き返す術がない
そこにあるものはひどく滑稽で
絶望だとか虚しさだとかそんなものは全てを超越している
立ち上がるだけの気力も体力もなくて
このまま消えてしまえればどんなにか楽だろうとそればかりを考えた

結局とどのつまり
私が求めるものは楽であり空であり解放なのだ
立ち向かうだけの心が轢かれてぺしゃんこになっている今
いかに全ての責務から逸脱するかを考えた

その手には乗らぬとのばした指先をこっぴどく振り払われても
黒々と塗られた世界など意味はないだろうし形もない
ねえ、そう、きっとそんなものは最初からなかったものだと割り切れたら
この痛みの意味を理解できるのだろうか

塗りつぶした愛は甦る筈がない
そこにあるものはひどく面妖で
感覚だとか邪だとかそんなものは全てを超越している
振り返るだけの勇気も意志もなくて
このまま消えてしまえればどんなにか楽だろうとそればかりを考えた

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