残酷であり慈悲であり

時間の流れというものは残酷だったり苦難だったりするのだが
その時間というものがあるからこそ何かをなせることもあるもので
嘆いて叫んでみたところでその残酷さには抗えず
狂喜乱舞したところでその苦難には打ち勝てず
そうしたところで何が変わるというものではないのだけれど

やり直せたら何をするのか
やり直せたらどうしたいのか
やり直せたらどうなっていたいのか
それを考えれば考えるほどその術のなさに崩れ落ちる

生まれた時から死ぬまでの決まった時間を
自分自身でどう使うのか決められる自由さと責任
生まれた時から死ぬまでの時間を
自分自身でどうしていくのか決められる不自由さと無責任

時間の流れというものは慈悲だったり快楽だったりするのだが
その時間というものがあるからこそ何もなしえなかったりするもので
喜びに心躍らせてみたところでその慈悲には届かず
茫然自失のままではその快楽を享受できず
そうしたところで何が変わるというものではないのだけれど

等しく与えられる時間に
あきれるほど人は無力すぎる

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