そう、思い出して。
私が私であった頃、あなたは間違いなくあなたでその腕の中はどんな世界よりも幸せだった。
私が壊したあなたは、私だけを見て好きだよ好きだよとうわ言のように繰り返す。
あなたが私を壊さないのは、あなたが私を憎んでいるから。
壊れてゆくあなたを見る私の悲しみを、罰だと知っているから。
壊して壊して壊しつくす私が、あなたの全てを奪えないと解っているから。
思い出の中にしかいない私は、あなたにどんなに抱かれても空虚のまま。
私の為だけにあるあなたは、つめたくて、からっぽで、なにもない。
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