道は遠く届かねど

死神と呼ばれた人がいた
死神と崇められた人がいた
死神だと笑う人がいた

人生に求めるものをなくしてしまった人がいた
人生に翻弄され続けた人がいた
人生には何も期待していないのだと言った人がいた

戦うことはそうある意味で生きるそのものだとつぶやいた人がいた

どこまでも安寧を求める人をあざ笑うのは簡単なことだと知ってしまった人がいた

生きてほしいと願い
もう死んでしまったと嘆き
ゆっくりと蝕む心の傷を静かに手放した

ずっとずっと先へ先へ行ってしまった人がいた
ずっとずっと一緒にいられるものだと思っていた人がいた
ずっとずっと小さな約束ひとつで忘れないと言った人がいた

生きることはそうある意味で戦うことそのものだとつぶやいた人がいた

いつかどこかで再び交わることがあるのならば
あの日誓った自分への道しるべとなるように

今度こそ共にあらんことを

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