例えばそれは、叫び。

全て感情の傾くまま、動くまま、動かないまま。

上に行く程新しいです。

  • 道は遠く届かねど

    死神と呼ばれた人がいた死神と崇められた人がいた死神だと笑う人がいた人生に求めるものをなくしてしまった人がいた人生に翻弄され続けた人がいた人生には何も期待していないのだと言った人がいた戦うことはそうある意味で生きるそのものだとつぶやいた人がい…

  • 心、打ちぬかれて耐え難く

    破天荒 回る 浮かぶ傷跡 神様 さようならそんな気になっただけなんだよ雨が降ってて傘がなくて水もしたたるって言うじゃないきみに会いたいだけ会いたいだけ暗がり 踊る さ迷う爪痕 神様 ありがとうそんな風になっただけなんだよからっぽの自分がいて…

  • 祈りは色づく音

    あなたの奏でる色があふれだす満開の桜抜けるような青空風に舞う紅葉しんしんと積もる雪忘れないと私が言った忘れないとあなたが言った猫みたいにひっかき傷を残したかったあなたに消えない傷跡を残したかったあなたと見た風景あなたと過ごした日々灰色だった…

  • 全消去

    不協和音が鳴り響く世界で彼はほくそ笑む壊れてゆく人たち脆く崩れゆく人たち疑心暗鬼は心を蝕み痛みは更に暗く沈み込むそれでもと立ち上がる人たちを彼は足蹴にし谷へと突き落とす滅んでしまえこんな世界など消えてしまえ彼の叫びは世界を震撼させる慟哭のよ…

  • 消去、無、その先

    この世は楽に生きられる程甘くない地を這いずり回っても手に入れられるものなどほんの僅か握りしめたそれを後生大事にしたところで多分それは、霧散してしまうようなもの形のないものを求めて求めて歪なものを拾い集めて集めて消えていく過去に手をかけて捨て…

  • 道は『此処』にある

    どれ程渇望しても得られないものがあるのだとしたらどれ程祈念しても理不尽にも踏みにじられるのだとしたら『此処』から身動きすらできずに私は朽ちてゆくのだろうかどれ程渇望しても得られないものがあるのだとしてもどれ程祈念しても理不尽に踏みにじられる…

  • そうでないが故に信じるもの

    私は『特別』なのだと思っていた誰だって誰かの『特別』になりたいでしょう誰だって世界の『特別』になりたいでしょう誰だって全ての『特別』になりたいでしょう選ばれし私の未知なる力を解放すべき時がくる私にしかできないことが待っている私が『特別』であ…

  • 明日を思う、明日を願う

    自動ドアの向こう側は灼熱のようだったあまりの暑さに思わず声が出た駐車場へ向かう道に人はまばらですれ違う人は大きな荷物を持っていた私の出てきた大きな総合病院は誰でもおいでと手招いているようでそれでいて一切を拒むかのようにそびえ立っていた甲高い…

  • 私は時折逃げたくなる

    私は時折逃げたくなる何も話したくなくなるし何もしたくなくなる生命維持の最低限だけの労力だけがある私は時折泣きたくなる何も話せなくなるし何もできなくなる生命維持の最低限の労力だけは手放せない私は時折逃げたくなる私は時折逃げたくなる全てをかなぐ…

  • そして私は嘘となる

    泥船の上で叫ぶ私を滑稽だと思うかい?沈みゆく汚泥の中でもがく私を愚かだと笑うかい?ちっぽけな世界で何も知らない私を可哀相だと嘆くかい?捨てる程の心もない私を虚しいと蔑むかい?死にたくないとみっともなく泣く私を意味がないと切り捨てるかい?いっ…

  • 夜中の救いとそれだけが

    あなたしかいないのだと縋ってみればよかったのだろうか。と考えてはみるものの、そんなことはできっこないのは自分が一番よく知っている。思えば他人というものに期待しすぎていたのだと思う。自分が自分である為に他人を利用する。それは簡単かつ楽な方法で…

  • 考えるだけ無駄なことはいつも、

    何故もこう愚かなのだと罵られその存在こそが不必要なのだと嘲笑う意味もないのにここにいることは塗りつぶした顔から背ける行為と違うのか何度も言われたその”意味”を“意味”を”意味”を”意味”を考えたところでそれこそ”意味”がないことだろうにここ…

  • それ故に存在するもの

    捨てるのは簡単だ言葉も夢も愛も心もいらないと思えばいつでも捨てられる手に入れるのは簡単だ彼方も意味も情も己も必要だと思えばどうにかして手に入れられる手放せば手に入るちっぽけな物は真心のように不確かで揺れ続けてそれでもきっと私にはそれこそが私…

  • 謝罪という名の拷問

    突きつけられた感情を嚥下する暇すらなく怒涛のように流れ込む言葉は心を突き刺す何も考えていないわけでも知らないわけでもない考えて知っていて思ったからこそここにいる勝利せよと突き動かされるようにまろび出た先にこの上なく不機嫌そうな君を見る後悔と…

  • 魂への恋文

    帰っておいで帰っておいでいつでもどこにいても帰っておいで君に似た人を見かけると魂を持っていかれる気がするんだ私の手から抜け出したあの透明な無色な殻はひび割れて壊れて霧散した君に似た人とすれ違うと魂を鷲づかみにされてしまうんだ私の手から抜け出…

  • 欠けた全てを捨てる日

    感じるままにあれと君は言うけれどそれほどまで何かを感じることなどないのだとしたら僕は何か欠落したままあるのかもしれないあざとい女は陳腐だけれど心地が良くて本意を隠した女は気持ちが良いが冷たい凍えた心を抱きしめ走ったところでどうせ君にはたどり…

  • 引き回しの孤独

    完璧を是とする愚かしい前提は無駄という愚者の行為を嘲笑うひとつ話をしてやろうと囁いた無垢な感情など唾棄すべきだと零よりいでし残骸など虚しくてその身より零れ落ちる後悔の念心に巣くう虚無とて求めうるにただそれだけのことを信じるか知るべきものを知…

  • 消失するためにあるのだとしたら

    塗りつぶした道は引き返す術がないそこにあるものはひどく滑稽で絶望だとか虚しさだとかそんなものは全てを超越している立ち上がるだけの気力も体力もなくてこのまま消えてしまえればどんなにか楽だろうとそればかりを考えた結局とどのつまり私が求めるものは…

  • 終わる世界に残る澱。

    それを愛とか情とかいうには、私たちは幼すぎた。お互いさえあればいいと思ってしまったのは、世界が狭すぎた故だろう。小さな小さな箱庭で一緒にいられればそれでよかった。私は君で、君は私で。手をつなげば二人の心は重なり、全ては二人のものだった。傲慢…

  • 交わらない世界で

    可哀そうな女だ、とあなたは言ったどんなにお前が想っても想っても気づいてもらえないのは可哀そうだ、とそういうものなのだろうか私はあの人のことを想うだけで心があたたかくなる私はあの人のことを考えるだけで嬉しくなるそれでもお前の存在をあいつは知ら…

  • 呪詛

    呪いをかけたわたし以外の人が見えなくなりますようにわたし以外の人のことを考えなくなりますように呪いをうけたおまえしか見えなくなりますようにおまえのことしか考えなくなりますように呪いを繋いだわたしとおまえは誰も見えなくなりますようにわたしとお…

  • 懺悔と後悔と少しの希望

    巻き戻すただただ、巻き戻すなかったことにしたいしなかったことにしたい私ではない私じゃない一心不乱に巻き戻す姿は髪を振り乱し歯を食いしばりあまり見られたものじゃない手がちぎれんばかりに巻き戻す姿は理性のかけらをすっ飛ばすかのように滑稽だそうま…

  • 静寂に至る

    からっぽすぎる自分空っぽすぎる自分真っ逆さまに落ちていこうがどこまでも突き抜けようと何もなくて何も持たなくて何も手に入れられない生み出さないこの手は虚しく空を掴むだけない ない ない ない何もない何もない何もないがらんどうの器を持て余し誰も…

  • ウラハラ情景

    瘡蓋を引き剥がしたら血が出てきてじくじくした傷口がてらてらぬらぬらしていて私の心の中と一緒なのだとふと思った。決して乾かない叶わない光のようなものは私を一生懸命駆り立てようとする。多くも少なくも自分のことは解っているはずだったのだがいかに無…

  • 或る罪人の一幕

    君が笑うたびに僕は思い知らされる君からあいつを奪ったのは僕なのだと何も知らぬ無垢な手は汚れた僕を浄化するかのようにのばされるあのね、と舌足らずのお喋りに応える僕は何者だろう小さな君は僕に絶対の信頼を置き、そして呼ぶ「おとーしゃん」握りしめた…

  • そんな紙一重

    お疲れさまと縋る手がむしょうに気持ちが悪かったお前が求めているのは私じゃないだろいつまで私を身代わりにすれば気が済むの聞いたこともない猫なで声で私を呼び慣れない手つきで私を抱く帰って来てくれると信じていた、なんて大嘘をつきお前がいないとダメ…

  • 立ち直るための儀式。

    トイレの便器にゲーゲー吐いた。ゴミ箱に捨てられなかった愛憎が、体を逆流して吐瀉となる。喉が焼け付くようにヒリヒリする。丸めて捨てられたらどんなにどんなに楽だっただろう。食べるのはあんなにも簡単で楽しいものなのに、吐くのはどうしてこうも辛いの…

  • だから、存在しない。

    そう、思い出して。私が私であった頃、あなたは間違いなくあなたでその腕の中はどんな世界よりも幸せだった。私が壊したあなたは、私だけを見て好きだよ好きだよとうわ言のように繰り返す。あなたが私を壊さないのは、あなたが私を憎んでいるから。壊れてゆく…

  • 思考高速遅々

    今考えていることをそのまま形にしてくれる機械があればいいのに一生懸命書き留めようとするのに私の手は遅くてどんどんどんどん思いついたことが消えていくもったいないもどかしい今も浮かんだ言葉を書き留めようとするが間に合わない浮かんで消えて捕まえそ…

  • あなたを選んだわけじゃない

    あなたを選んだわけじゃない 偶然あなたがいただけあなたはただそこにあっただけ風に乗ってここまで来たただの偶然 偶々 あなたがどう思おうとも始まってしまったあなたの感情など構いもせずあなたの環境など構いもせず そ…

  • 嗚呼あんなに好きだったのに

    打ち捨てられた手足を拾い集め何故このような事態になったのかを考えてみる抱きしめた腕は切られてしまい押しつけたキスはもぎ取られてしまった朝から何も食べていなかったのに出る時は出るものなのね嗚呼あんなに好きだったのに拒絶される虚しさが一番堪える…