謝罪という名の拷問
突きつけられた感情を嚥下する暇すらなく怒涛のように流れ込む言葉は心を突き刺す何も考えていないわけでも知らないわけでもない考えて知っていて思ったからこそここにいる勝利せよと突き動かされるようにまろび出た先にこの上なく不機嫌そうな君を見る後悔と…
詩日常
魂への恋文
帰っておいで帰っておいでいつでもどこにいても帰っておいで君に似た人を見かけると魂を持っていかれる気がするんだ私の手から抜け出したあの透明な無色な殻はひび割れて壊れて霧散した君に似た人とすれ違うと魂を鷲づかみにされてしまうんだ私の手から抜け出…
詩悲哀
欠けた全てを捨てる日
感じるままにあれと君は言うけれどそれほどまで何かを感じることなどないのだとしたら僕は何か欠落したままあるのかもしれないあざとい女は陳腐だけれど心地が良くて本意を隠した女は気持ちが良いが冷たい凍えた心を抱きしめ走ったところでどうせ君にはたどり…
詩恋愛
引き回しの孤独
完璧を是とする愚かしい前提は無駄という愚者の行為を嘲笑うひとつ話をしてやろうと囁いた無垢な感情など唾棄すべきだと零よりいでし残骸など虚しくてその身より零れ落ちる後悔の念心に巣くう虚無とて求めうるにただそれだけのことを信じるか知るべきものを知…
詩日常,空虚
消失するためにあるのだとしたら
塗りつぶした道は引き返す術がないそこにあるものはひどく滑稽で絶望だとか虚しさだとかそんなものは全てを超越している立ち上がるだけの気力も体力もなくてこのまま消えてしまえればどんなにか楽だろうとそればかりを考えた結局とどのつまり私が求めるものは…
詩日常
終わる世界に残る澱。
それを愛とか情とかいうには、私たちは幼すぎた。お互いさえあればいいと思ってしまったのは、世界が狭すぎた故だろう。小さな小さな箱庭で一緒にいられればそれでよかった。私は君で、君は私で。手をつなげば二人の心は重なり、全ては二人のものだった。傲慢…
詩恋愛
交わらない世界で
可哀そうな女だ、とあなたは言ったどんなにお前が想っても想っても気づいてもらえないのは可哀そうだ、とそういうものなのだろうか私はあの人のことを想うだけで心があたたかくなる私はあの人のことを考えるだけで嬉しくなるそれでもお前の存在をあいつは知ら…
詩幸福,現実逃避
呪詛
呪いをかけたわたし以外の人が見えなくなりますようにわたし以外の人のことを考えなくなりますように呪いをうけたおまえしか見えなくなりますようにおまえのことしか考えなくなりますように呪いを繋いだわたしとおまえは誰も見えなくなりますようにわたしとお…
詩ダーク
懺悔と後悔と少しの希望
巻き戻すただただ、巻き戻すなかったことにしたいしなかったことにしたい私ではない私じゃない一心不乱に巻き戻す姿は髪を振り乱し歯を食いしばりあまり見られたものじゃない手がちぎれんばかりに巻き戻す姿は理性のかけらをすっ飛ばすかのように滑稽だそうま…
詩日常
静寂に至る
からっぽすぎる自分空っぽすぎる自分真っ逆さまに落ちていこうがどこまでも突き抜けようと何もなくて何も持たなくて何も手に入れられない生み出さないこの手は虚しく空を掴むだけない ない ない ない何もない何もない何もないがらんどうの器を持て余し誰も…
詩日常
ウラハラ情景
瘡蓋を引き剥がしたら血が出てきてじくじくした傷口がてらてらぬらぬらしていて私の心の中と一緒なのだとふと思った。決して乾かない叶わない光のようなものは私を一生懸命駆り立てようとする。多くも少なくも自分のことは解っているはずだったのだがいかに無…
詩日常
或る罪人の一幕
君が笑うたびに僕は思い知らされる君からあいつを奪ったのは僕なのだと何も知らぬ無垢な手は汚れた僕を浄化するかのようにのばされるあのね、と舌足らずのお喋りに応える僕は何者だろう小さな君は僕に絶対の信頼を置き、そして呼ぶ「おとーしゃん」握りしめた…
詩空虚